英語が話せるようになった
VRChatで英語が話せるようになった。ゼロから勉強を始めて1年になるので記念に残しました。
英語を学んだ目的
VRChatをやり過ぎてプレイ時間が7200時間に達した頃からもうすることがなくなってしまった。
そしてエンドコンテンツとして求めたのは海外交流。
やる事の無くなった仮想空間で可愛い猫ちゃんのアバターを着て過ごしたい…その一心だった。
もうやる事がないにゃ…。
翻訳ソフトのセットアップ
真っ先に導入したのは翻訳ソフト。英語の勉強がしたいのではなく、VRChatがやりたいのだ。いくつかの翻訳ソフトを試し最終的にPowerPointが一番と言う結論になった。
視界右上がPowerPointによる翻訳
精度は高くないのだが、圧倒的に高速だからである。世界の多くの言語はSVO型言語であり、日本語はSOV型言語…と要するに英語とは語順が違うのだ。
全ての元凶は語順が真逆である事。
そのため、英語では最後まで会話を聞かないと目的語が確定しないため、日本語に翻訳するには翻訳ソフトにも全文を聞かせる必要がある。すると一般的な翻訳ソフトでは日常会話をするにはあまりに遅すぎる。
その点PowerPointは発表者ツールの枠組みであるので、目的語が確定していない状態でも翻訳文を表示するし、秒ミリ後には翻訳結果を覆して再表示するため、ライブな会話にピッタリではあった。
しかしながら、精度については当然ながら高くない。ビジネスや契約などの目的がある会話を翻訳したい場合は、全文を聞いてから翻訳するタイプの翻訳ソフトが良いだろう。
どこまでAI翻訳が進歩してもこの問題は絶対に解決しない。逆にAIが80点の翻訳をし始め人間が語学を辞めてしまう前に勉強できて良かったと思う。
翻訳ソフトの問題点
はじめこそ良かったものの、翻訳ソフトは諸刃の剣だった。
相手の言っている事が概ね分かれば、何らかの正しいリアクションさえ返せばこの人は英語を理解していると考える。すると、相手はより複雑な事を話し始める。それが繰り返され、どんどん複雑な会話になると、翻訳を挟んでも何を言っているかわからなくなるのだ。
これが翻訳ソフトを使った会話の破綻であり、テクノロジーの限界でもあった。
ある日を境に、いつも話している友達が何を言っているのか分からない。急に力を失いこの人たちとはもう話せないかもしれない。ただただ恐怖だった。
simultaneously は同時にという意味。英検準1級以上の水準の単語。このように翻訳を使うとどんどんと会話が複雑になっていく。(この時は右側の猫が助けてくれた。)
文字起こしに変えた
翻訳ソフトを使うと会話レベルが青天井で上がってしまう問題に直面したため翻訳の使用をやめたが、テクノロジーを失った私は一気に無力になってしまい何を言っているかわからなくなってしまった。
そのため、聞き取りの補助のため文字起こし(Transcribe)だけを使うことにした。
これであれば会話レベルが上がり続ける問題は発生しない。これは少しの間、心の安寧を与えてくれたが。しかしながら、いつまで経ってもリスニング能力が上がらないという問題は残っていた。
この問題に気づいた英語話者の(日本語を学んでいる)フレンドに文字起こしを辞めるよう約束を迫られてしまった。最終的には翻訳も文字起こしも使えなくなり、自信を完全に消失し気分も沈み込んでいた。
全てを失ったがVRChatのフレンドは優しかった
翻訳も文字起こしも使えず、約束を破るほどの度胸もない。全てのテクノロジーを失った。
しかし、周囲のフレンドは優しかった。わからないと言えばどこまでも会話のレベルを下げてくれた。そして、最後にはテクノロジーの補助なしで英語が話せるようになった。これは同時に自信をもたらしてくれた。
気づけば勉強をはじめて1年。英語が話せるようになっていた。
少し付け加えると、話せると言うのもいくつかレベルがあり、相手が会話レベルを下げてくれれば話せるという状態ではあるが、よく成功したものだろう。これから長い道のりが続くだろうが歩いていけそうだ。
学習方法
文法学習
0からスタートではあったが、アルファベットが読めない程ではないので、中学~高校生用の教科書を購入。とは言え退屈なのであまりガリガリ勉強はしていないが、文法は基礎となるので時々カフェで勉強していた。
文法書は一冊あればあまり困らないし、文法が分からないと理解できない事は意外と多い。
NHKラジオ Enjoy Simple English
文法書の次に始めたのはリスニングであり、Enjoy Simple Englishというラジオ放送。一日5分の放送を聞き会話に必要な英語を聞き取れるよう学んだ。
一か月分の教科書が一冊650円。かなりコスパがいい。
なお、平日しか放送されないため土日は聞くものがなくなる。その際はNHKオンラインストアで過去の放送分のテキストとMP3データが購入できる。
Enjoy Simple Englishでは簡単な英語だけで放送してくれるだけではなく、意外とストーリが面白いので楽しい!
英語吹き替えアニメ
もともとアニメが好きなので、英語の吹き替えアニメはとても良い勉強になった。リスニングはやればやるほど強くなるので家ではずっとアニメを流している。
学校では教えてくれないけど、日常会話ではよく使うフレーズが身につくのも良い。それに、先に述べたSVO型言語を学ぶにはとにかく脳にインプットが必要なのだ。隙間時間があればひたすらにインプット。
NHKラジオ ラジオ英会話
シャワーを浴びる間に暇だったので、ラジオ英会話のテキストをジップロックに入れて、防水スピピーカーを持ち込んで聞くことにした。
お風呂時間で勉強。こちらも一冊660円。
※ただし聴力には注意しよう!
勉強時間
1日4時間ほどは英語に触れていた。と言ってもアニメを流していたり英語圏の友達とごろごろしていたり、努力してガリガリと鉛筆を走らせていたわけでもなく、あまり苦痛な事をせず1年を過ごした。
シャワーを浴びるならバックグラウンドでラジオ英会話を流し、料理をするなら横でアニメを流す。そうやって勉強時間を稼いでいった。
VRChatで注意した事
VRChatで英語を話す際に、一つだけ注意した事がある。
日本ではSOV側言語の呪いを受けほとんどの人が英語が話せない事に加えて、共感を基調とするコミュニケーションをとるので理解できない言語が同じ空間に混ざると怖がる人が多い。
以前の私もそうだったので日本語用アカウントと英語用で分けた。後はVRで過ごすだけである。
TOEICの点数推移
勉強を始めて3ヶ月目、最初のテストでは460点を獲得。0スタートの学習3か月でこの点数は過大評価されている気がするが、リスニングの点数が良い事とでたらめに回答しても1/4(約250点/990点)は当たるので指数関数的に難しくなっていくという点では同意できる。
そしてちょうど1年になり今回はTOEIC IPオンライン試験を受け580点。
思ったより伸びていないが、そもそもTOEIC(日本で一番多く実施されるL/R試験)はスピーキング能力を測る試験ではないのであまり気にしない事にした。
ただ、事実として私の文字を読む能力は非常に低いためその点は今後の課題である。
さいごに
英語が話せるようになると世界がぐっと広がった。英語ネイティブの人だけでなく、台湾や北欧など多く地域と交流できるのは英語の強みである。
そしてVRChatのプレイ時間は8500時間になりました。VRChatはいいぞみんなもやろう。