モバイルインターネットの速度制限を振り返る

いまだに無くならない”制限”

2021年はケータイ値下げおじさんで揺れに揺れた年。なのにいまだに”無制限”は達成されていない。(※NTTドコモが5G契約に限り公平制御としたものの完全無制限とはいえないため)

そんな訳で過去を振り返っていく。(テキトーに書いた掃き溜めなので誤りのご指摘やコメント等は承ってません)

Air Edge時代 (2001年〜)

PHSを使って64kbps接続、モバイルネット初の使い放題であった。料金は7000円ほどだったらしい。

64kbpsをテザリングするという概念は当時はなく、1台のPCで画像圧縮サーバを経由してなんとか…といった状態であった。

後述のLTEが登場した2012年頃、混雑緩和のために画像圧縮したところ表現の自由や通信機密がと自称活動家どもがうるさかったが、この時代を知っている人間からしたらむしろ圧縮してくれるのは大変良心的であったのだ。

話が逸れたものの、この時代には確かに無制限は存在した。しかし、2000年にはADSLが開始されており自宅なら最大1Mbpsで通信できたものの、モバイルだと64kbps。これで無制限と呼んでいいかは微妙なところではある。

とはいえ、ユーザーからお金をとったりマーケティングのために制限をした訳ではないのでこの時代は無制限だったと言える。

イーモバイル3G時代(2007年〜)

この時代はdocomo/au/Softbankの3社体制となっていたが、どのキャリアもインターネット接続は青天井(上限なしの課金)でそれも半日何も考えずにゲームでもしようものなら数十万円〜数百万が吹っ飛ぶ時代だった。

ネットで数百万請求されたという声も少しはあり社会問題としてあったものの、記憶に残る程ではなかった理由としては、そもそもガラケーがパソコンにささると思ってる人が少なかったため。

そんな中、1.7GHz帯の3Gを使ったイーモバイルのネットサービスが始まった。

今の楽天モバイルと全く同じ構図で、携帯3社寡占のなか限られた周波数しか使えずサービスエリアも悪いもののインターネットが使い放題だった。

知名度は低く、私もよくわからないうちに2年後に登場したWiMAXにシェアを奪われていったが確か無制限だったはずである。

WiMAX時代(2009年〜)

モバイルインターネットを爆発的に普及させたWiMAX。2009年から開始され、2010年には実測20Mbps程で完全使い放題といった状態。2021年のいま、ギガが…ギガが…など叫んでる時代よりよっぽど速くて安心なインターネットだった。

この頃に帰りたい…。

欠点は2.5GHz帯を使いかつ移動体を想定していない技術がモバイル化したものだったため150km/hを超える新幹線で使えなかったり、窓際でないと電波が入りづらかったり、ping値がちょっとだけ高かった(100msほど)

窓にアルミホイル製パラボナアンテナを作っていた人たちがいた時代だった。無制限はここで終了してあとはモバイルインターネット暗黒時代に突入する。

LTE時代(2012年〜)

ここから地獄の始まり、7ギガ制限の始まりである。携帯3社はキャンペーンとして最初の半年程度を無制限としたが、課金とマーケティング(みんなが使いすぎると遅くなって商業的批判が起きるための回避措置)の両面から制限するようになった。

制限解除に2ギガ2700円程の課金を要求してたものの3日で1GB制限を同時に施していたため金さえ払えば使っていいとは思っていなかったようである。

ちなみに3Gプランは気づいた時には3日366MB制限になっていた。

WiMAX瀕死とイーモバイルの終焉とWiMAX2+(2014年〜)

LTEの暗黒時代が始まってもWiMAXさえあれば生きていけた…のだが、KDDI陣営はWiMAXで使っていた30MHzの20MHzをLTEに転用してしまった。30あった帯域が10になったのである。

これによって理論値最大速度は40Mbpsから13.3Mbpsに低下。理論値が下がれば実測値もお察しでWiMAXは瀕死。

さらにはイーモバイルもソフトバンクグループに吸収され同じく2014年で(受付)終了。ネット上では「(このプランは)禿に吸収される前の最後のご奉仕」と名残惜しい声が聞こえた。

イーモバイルLTE自体は緩やかな速度制限(3日で10GBかつ若干の抑制)があった気がするが、今のような鬼畜制限ではなかった。

後継のWiMAX2+は名前はWiMAXだがただの高周波LTE。3日で3GBという更なる闇に堕ちていく。

WiMAX2+の更なる改悪(2017年〜)

WiMAX2+は3日で3GB制限を掛けていたが、制限された後も数Mbpsは速度が出ていたので(もちろん旧WiMAXの方が良いが)死ぬほどではなかった。

そんなWiMAX2+が更なる改悪に走り、3日で10GB制限を開始。数値だけ見ると3GB→10GBで増えたように見えるが、制限後速度が夜間1Mbpsである。

流石に2017年ともなるとYoutubeやNetflixなどお家で映画と言った文化は根付いており、そこで1Mpbsは鬼畜の所業である。改悪前であればなんとか見れいないこともなかったが…。

KDDI陣営の言い訳は昼間は規制しないことと、夜間のピークタイムを規制することで設備投資費へのダメージを減らすとのこと。まぁ金がないからだってド直球で言われたら仕方ないよね…。

ちなみにソフトバンク陣営のAXGPサービスも同様の規制を行なった。

楽天モバイル(2020年〜)

総務省が楽天にイーモバイルと同じく1.7GHz帯域を割り当て、無制限LTE(1日10GBほどで緩やかな制限あり)を開始。

2007年のイーモバイルと全く同じである。LTEが導入された2012年イーモバイルと比較して8年前の水準に「回復」した瞬間だった。

エリアは狭く、何度も事故を起こしながらエリアを拡張するものの、8年前の水準に戻ってしまった日本のモバイルインターネットを感じていた。

準無制限のドコモ5Gと規制する他社5G(2021年)

2020-2021年は菅政権からの携帯値下げ圧力を受け、ドコモの社長も穏便派から過激派に交代。過激派となったドコモは5G無制限に舵を切り日本電信電話(NTT)がドコモを買収。

他社が追いつこうと無制限にすると光ファイバー利用料をドコモ=日本電信電話に収める構図を作り出し、さらには20GB大容量プランも展開。

政治的な思惑に押されて、今までの他社協調を捨てて一人勝ちを始めたのだ。(※20GB新プランでも一人勝ちし、他社が無制限プランを出せば光ファイバー使用料が増収し一人勝ちし、他社が小容量サブブランドを出すと収益性が乏しく提供しないドコモはやはり一人勝ちした)

テザリングも含めて無制限を始めたものの、5G契約でないと無制限でないところ、料金が高いこと(WiMAX2+の月額4,500円に対し月額7,000円)一応の公平制御があるため、準無制限と捉えている。

振り返ってみて

掃き溜めに書いていくうちに色々思い出したが、WiMAXとイーモバが死んだ2014年で日本の使い放題は終わった。そして元の水準に戻るまで8年かかっている。

ド直球に金(設備投資費)がないから無制限は無理だというKDDI陣営を見てるとトラヒックはどんどん増えていくから仕方ないのかな…とも思うし、昔はよかったとも思う。

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